active×hearts

お花見の支度をしていたはずなのに、気付けば近所の桜は葉っぱばかりになっていて。
新しい教科書に書いてあることは、まるで魔法の呪文。
ちんぷんかんぷんで授業についていけず、休み時間にノートを借りる。
高校生は、思っていたより大変そうだ。

大きな戦いの後に、転入生も増えたみたい。
『デモノイドヒューマン』
もしも……あの時、"あの人"も助けられていたなら。
今頃、生きて、ここに居たのだろうか。仲間になってくれていたのだろうか、と。
そんなことを考えて、少し、胸が痛んだ。
手に残る、命を"壊した"感触は、きっと、ずっと、消えない。
だから……わたしは、生きなくちゃいけない。
壊した命の分まで、一生懸命に生きて。
守りたいものを守る為に、全力で生きる。
目標が、できた。


クラブの入り口から聴こえる声は、みんな元気そうで。
久しぶりに中に入ろうとして……ちょっぴり、悩む。
わたしを真っ暗闇の底から助けてくれた、
みんなの声や、言葉や、想いが、いっぱい溢れてきて。
心配かけて、迷惑をかけたクセに、今更どんな顔をして逢いに行けるのか、と。
竦みかけた脚を、無理矢理前に動かす。
だいじょうぶ、何時も通りでだいじょうぶ。
大きく息を吸って、笑って。


「ただい、ま」