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TW4『PSYCHIC HEARTS(サイキックハーツ)』参加キャラのごちゃまぜブログ。 ご存知無い方、興味の無い方は回れ右超推奨。
◆―――Dunkelheit von Aufwachen.
- 2013/04/07 (Sun)
- ぱんだの日記帳 |
- CM(2) |
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――あの日、目の前の命を守りたくて伸ばしたこの手は、
目の前の、救えたかもしれない命をチーズのように切り裂いていて。
次は、きっと、もっともっと、大切なものを壊してしまうと、思ったから。
朝の光の中、みんなに背を向けて必死に走った。
※SSもどき。閲覧非推奨※
何処へ行こう?
考えながら、兎に角走る。
地面を蹴る脚は、ついさっきまでは重かったのに。
今は空でも飛べそうなくらいに、軽い。
いっそこのまま、飛んでいければと思う。
誰にも見付からない何処かへ行きたくて、走る。
……この後、自分がどうなるかなんて、全然考えていなかったけれど。
この後、みんながどうするかは、何となく想像できた。
学園の優秀なエクスブレインさんが、"わたし"を見付けて。
灼滅だとか、何らかの形での決着を付けるようにと、みんなに依頼するんだ。
前に、わたしが教室で、闇堕ちした知人の発見を聞いたように。
「でも、それは――……嫌だ」
多分、そのとき、わたしは"わたし"じゃなくなっていて。
みんなを傷付けてしまうんだと思うと、たまらなく怖くて。
だから、いっそこのまま、誰にも見付からなければ良いと思ってしまう。
このまま誰にも見付からず、出会わず、何処か遠くの山奥でひとり朽ちてしまえば、と。
「みんな、わたしのことなんて、忘れて。
わたしのいないところで、幸せに過ごしててくれれば、それで良い」
『――忘れる。それが、望み?』
聴こえた声に、脚が止まる。
真っ暗闇の底から、這い上がってくるような、声。
けれどその声は、聴き覚えがあって……?
『じゃあ、忘れさせてあげる。"わたし"が、ぜんぶ』
響く笑い声は、子供のように無邪気で、何処か不気味で。
反射的に、首から下がっていたペンダントを握り締める。
御守り代わり、と言ってくれた、大事な―――
「………あ、れ?」
掌の中にあるのは、とてもとても大事なものなのに。
それをくれた人が誰だったか、すぐに出てこない。
ふわり、風に揺れる桜が視界の端に映る。
そう言えば、みんなとお花見に行こうって……?
「……"みんな"って、誰?」
大好きなものが、何も思い出せない。
何時も当たり前のように傍に居てくれた人が、思い出せない。
大事なものが、消えて行く。
それは、自分自身が消えて行くことよりも、怖くて、怖くて。
膝から力が抜けて、崩れ落ちる。
『大好きなものを傷付けるのが、怖いんでしょう?
なら、その"大好きのきもち"を忘れてしまえば良いじゃない』
「それは……嫌だ、よ。絶対に、嫌だ」
『みんなには忘れてほしいと願ったのに、自分が忘れてしまうのは、嫌なの?』
ヘンなの。
そう言って、クスクスと笑う声は………
「………わた、し?」
『そう。わたしはあなたで、あなたはわたし。
でも、それは昨日までのおはなし。今日からは、わたしがわたしになるの』
ころころ、鈴を転がしたような声に紛れて。
誰かが名前を呼ぶ声が聴こえたような、気がした。
耳に届く声。
ちょっとだけぎこちない笑顔。
頭を撫でてくれる手の大きさと、温かさ。
ほんわかぽかぽかと、心を温かくしてくれる。
わたしを幸せにしてくれる、大事で、大好きな――なのに。
頭の中が真っ白で、もう、何にも思い出せない。
『――さようなら、"わたし"』
―――気が付くと、空には月が浮かんでいた。
まだ少しだけ肌寒い春の夜。
暖を求めるように、足元に野良猫がすり寄ってきた。
「……あなた、ひとりなの?」
答えるように、にゃぁ、と鳴いたので。
ふわふわと白いソレに、手を伸ばす。
柔らかくて小さくて、触れた瞬間はとてもとても温かかったのだけれども。
「……あれ?」
白かった毛並みは、何時の間にか赤く染まっていて。
可愛らしい鳴き声は二度と聴こえず、温かかった身体はどんどん冷たくなっていく。
壊れてしまったのだろうか?
反応を伺うように、軽く指で突いてみたのだけれども……穴が空いてしまった。
「………つまんないの」
動かなくなったソレを投げ捨てて、歩きだす。
この世界には、楽しい玩具がたくさんあるから。何をして遊ぼう?
おいかけっこ、かくれんぼ……嗚呼、お人形遊びもおもしろそう。
「………?」
ふと視線を落とせば、首に下がったナニカに気付く。
きらきら光る、紫色。
ちょっと触れれば、さっきの野良猫と同じように壊れてしまう、筈なのに。
赤く染まった手で握り締めても、何故かソレは、砕けなくて。
「どうして……壊せないんだろう?」
―――ヘン、なの。
呟いた声は風に消えて、白い少女の姿もまた、闇に消える。
「……ねぇ、ひとりなの?なら、わたしといっしょに遊んで、よ」
考えながら、兎に角走る。
地面を蹴る脚は、ついさっきまでは重かったのに。
今は空でも飛べそうなくらいに、軽い。
いっそこのまま、飛んでいければと思う。
誰にも見付からない何処かへ行きたくて、走る。
……この後、自分がどうなるかなんて、全然考えていなかったけれど。
この後、みんながどうするかは、何となく想像できた。
学園の優秀なエクスブレインさんが、"わたし"を見付けて。
灼滅だとか、何らかの形での決着を付けるようにと、みんなに依頼するんだ。
前に、わたしが教室で、闇堕ちした知人の発見を聞いたように。
「でも、それは――……嫌だ」
多分、そのとき、わたしは"わたし"じゃなくなっていて。
みんなを傷付けてしまうんだと思うと、たまらなく怖くて。
だから、いっそこのまま、誰にも見付からなければ良いと思ってしまう。
このまま誰にも見付からず、出会わず、何処か遠くの山奥でひとり朽ちてしまえば、と。
「みんな、わたしのことなんて、忘れて。
わたしのいないところで、幸せに過ごしててくれれば、それで良い」
『――忘れる。それが、望み?』
聴こえた声に、脚が止まる。
真っ暗闇の底から、這い上がってくるような、声。
けれどその声は、聴き覚えがあって……?
『じゃあ、忘れさせてあげる。"わたし"が、ぜんぶ』
響く笑い声は、子供のように無邪気で、何処か不気味で。
反射的に、首から下がっていたペンダントを握り締める。
御守り代わり、と言ってくれた、大事な―――
「………あ、れ?」
掌の中にあるのは、とてもとても大事なものなのに。
それをくれた人が誰だったか、すぐに出てこない。
ふわり、風に揺れる桜が視界の端に映る。
そう言えば、みんなとお花見に行こうって……?
「……"みんな"って、誰?」
大好きなものが、何も思い出せない。
何時も当たり前のように傍に居てくれた人が、思い出せない。
大事なものが、消えて行く。
それは、自分自身が消えて行くことよりも、怖くて、怖くて。
膝から力が抜けて、崩れ落ちる。
『大好きなものを傷付けるのが、怖いんでしょう?
なら、その"大好きのきもち"を忘れてしまえば良いじゃない』
「それは……嫌だ、よ。絶対に、嫌だ」
『みんなには忘れてほしいと願ったのに、自分が忘れてしまうのは、嫌なの?』
ヘンなの。
そう言って、クスクスと笑う声は………
「………わた、し?」
『そう。わたしはあなたで、あなたはわたし。
でも、それは昨日までのおはなし。今日からは、わたしがわたしになるの』
ころころ、鈴を転がしたような声に紛れて。
誰かが名前を呼ぶ声が聴こえたような、気がした。
耳に届く声。
ちょっとだけぎこちない笑顔。
頭を撫でてくれる手の大きさと、温かさ。
ほんわかぽかぽかと、心を温かくしてくれる。
わたしを幸せにしてくれる、大事で、大好きな――なのに。
頭の中が真っ白で、もう、何にも思い出せない。
『――さようなら、"わたし"』
―――気が付くと、空には月が浮かんでいた。
まだ少しだけ肌寒い春の夜。
暖を求めるように、足元に野良猫がすり寄ってきた。
「……あなた、ひとりなの?」
答えるように、にゃぁ、と鳴いたので。
ふわふわと白いソレに、手を伸ばす。
柔らかくて小さくて、触れた瞬間はとてもとても温かかったのだけれども。
「……あれ?」
白かった毛並みは、何時の間にか赤く染まっていて。
可愛らしい鳴き声は二度と聴こえず、温かかった身体はどんどん冷たくなっていく。
壊れてしまったのだろうか?
反応を伺うように、軽く指で突いてみたのだけれども……穴が空いてしまった。
「………つまんないの」
動かなくなったソレを投げ捨てて、歩きだす。
この世界には、楽しい玩具がたくさんあるから。何をして遊ぼう?
おいかけっこ、かくれんぼ……嗚呼、お人形遊びもおもしろそう。
「………?」
ふと視線を落とせば、首に下がったナニカに気付く。
きらきら光る、紫色。
ちょっと触れれば、さっきの野良猫と同じように壊れてしまう、筈なのに。
赤く染まった手で握り締めても、何故かソレは、砕けなくて。
「どうして……壊せないんだろう?」
―――ヘン、なの。
呟いた声は風に消えて、白い少女の姿もまた、闇に消える。
「……ねぇ、ひとりなの?なら、わたしといっしょに遊んで、よ」
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其は、風の前の干草の如く。
(見ちゃったから、じたばたごろごろしちゃいましたよ;)
(それはさておき、いよいよ本日出発です。)
(人事は尽くしましたし、説得の文面もちゃんとプレイングに書きました←ここ重要)
(説得の内容は…リプレイ公開までお楽しみ、という事で)
(何はともあれ、羆みたいな王子様がお迎えに上がりますです。)
(リプレイ完成は…来週半ば位ですかねぇ…。)
(無事に、成功しますように。(-人-)ナムナム)
無題
(出発日が近付いて落ち着かない衝動の殴り書きです;)
(相談卓もちらちら見てましたが……ギリギリまで皆様策を考えて下さったりで)
(何か、もう、ぱんだがすごく愛されてるな、と(涙が止まらない))
(墨で塗り潰されてた部分がものすごく気になりますが、リプレイ公開まで楽しみにしておきます)
(熊猫のお姫様は、羆みたいな王子様がお迎えをお待ちしております、よ)
(大体出発日から一週間前後でリプレイ完成だと思うので、来週中……ですかね?)
("10人で"無事に帰ってこられることを祈っております(-人-)ナムナム)